古本屋・忘れな草
「それを告発したら、家族を盾に取られて……それで」
その言葉を聞いても、私は至って冷静だった。
そんな自分が少しだけ怖かった。
嫌な記憶がフラッシュバックしたのか、震える冬月さんに私は聞いた。
「その不正って、検品の不正、報告書偽造、県知事との癒着、不正会計、横領ですか?」
その言葉に冬月さんは驚いてたじろいだ。
「えっと……癒着と横領は知らない……。けど、どうしてそれを」
全てが腑に落ちた。
けれど、それと共に心に大きな闇が影を落とす。
できればそうであってほしくなかった。
「まず確認ですが……」
私は冬月さんを真っ直ぐ見据えた。
「冬月さんを自殺に追いやったその企業は、橘電機ですか?」
その言葉を聞いても、私は至って冷静だった。
そんな自分が少しだけ怖かった。
嫌な記憶がフラッシュバックしたのか、震える冬月さんに私は聞いた。
「その不正って、検品の不正、報告書偽造、県知事との癒着、不正会計、横領ですか?」
その言葉に冬月さんは驚いてたじろいだ。
「えっと……癒着と横領は知らない……。けど、どうしてそれを」
全てが腑に落ちた。
けれど、それと共に心に大きな闇が影を落とす。
できればそうであってほしくなかった。
「まず確認ですが……」
私は冬月さんを真っ直ぐ見据えた。
「冬月さんを自殺に追いやったその企業は、橘電機ですか?」