古本屋・忘れな草
 さん付けし合う私たちの関係はいかにも高尚なものに見える。

——そもそも、私たちの関係って何だろう……

 そんなことをつらつらと考えていると、段々と眠くなって、瞬さんがしていたように机に伏せってしまう。

「帰らないと……。遅くなったら、怒られる……」
 
 眠気に抗う私に、瞬さんがそっと手で目を塞いできた。

「ゆっくり眠るといい。眠っている間、ここは時間が止まるから」

 温度を感じない瞬さんの触れた手が、またも温かく感じた。
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