彩〜鮮やかな彩り〜

ガヤガヤとした教室が耳に響く。

いわゆる陽キャという集団が授業が終わると騒ぐ。

私は、いわゆる陰キャ。

今は、六時間目がやっと終わった。

授業が終わったら、さっさと帰ればいいのに。

なんでこうも学校に居たがるんだろう?

分からない。

そう心の中で思いつつ帰りの準備をさっさと済ませて帰る。

私の通っている中学校は、家から結構離れてて自転車で30分くらいかかる場所にある。

だから、登下校だけでもめんどくさいのに、学校に着いて授業を受ける。

それがまた、めんどくさい。

そんなことを思っていながら自転車に鞄をくくりつけて帰ろうとした時、やってきた。

あの怪獣が。

体は小さいくせにすばしっこくて口だけは上手な田中亮。

亮は、小学校からの幼馴染。

何かと私の後をついてきてはちょっかいをかけてくる。

「よ!真凛!ちょうどよかった!」

何がちょうどよかったよ、待ってたくせに。

「一緒に帰えってやるよー」

そう言って一緒に帰りは帰っている。

「うん、いいよー」

「でも、なんでいつも私と帰るの?男子とかと帰ればいいのに!?」

そう言うといつも

「お前と帰ってる方が気が楽なんだよ」

そう言う。

亮はいわゆる陽キャなのに私にちょっかいやおせっかいを焼いてくる。

不思議だ。
< 1 / 12 >

この作品をシェア

pagetop