彩〜鮮やかな彩り〜


渡辺爽

私と同じクラスの男子。

同じクラスと言っても私は陰キャ。

向こうは陽キャ。

常に女子からは告白され、男子からにも人気のあるモテモテ男子。

私にはなんのかかわりのない人だと思ってた。

そんな人が一緒に暮らすと?

どういうことだ?


慌てて家の中に入ってお母さんに聞く。

「ねぇ、お母さん!どういうこと?なんで爽くんがいる訳?一緒に暮らすの?」

「まぁ、落ち着きなさい。訳を話すから、とりあえず爽くん、家の中に入ってもらいなさい、それから話すから」

「うん、分かった」

渋々言うことを聞くことにした。

「爽くん、上がって」

大きなスーツケースを玄関から家の中に上げる。

座敷に通した。

「それで、お母さんどういうこと?」

「あのね、まず爽くんが数日休んでたのは知ってるでしょ?」

「うん、知ってるよ」

「それはね、爽くんのお母さんが亡くなったからなの。私と爽くんのお母さんは小さい頃からの友達でね、結婚してからはお互いの家庭があるから疎遠になってたんだけど1週間前くらいかな、急に爽くんのお母さんから連絡があって会いたいって。

それで、私は爽くんのお母さんにあったの。病院で。

しばらく病気で入院してたみたいで必死に頼まれたの。

爽のことをよろしくねって。

それで、うちで爽くん暮らすことになったの。

うちは、部屋はいっぱい余ってるしいいかなって思って」

そういうことか、、、

暗い顔でいるとお母さんが

「ほら、わかったなら爽くん案内してあげて」

「爽くんは、どこの部屋に通せばいいの?」

「真凛の隣の部屋に通して」

え?隣!?

嫌やなー、気まずい

「うん、、、わかった、じゃあ爽くん着いてきて」

階段を登って廊下の三つ並んでいるうちの一つの部屋。

そのうち二つは妹と私の部屋。

私の部屋の隣が爽くんの部屋。

「この部屋ね、置いてある家具は自由に使っていいから」

この部屋は要らなくなったベットとか机とかタンスが一通り揃ってる。

お母さんが今日の午前中に掃除したみたい。

綺麗に掃除されている。

「あと、この家案内するから着いてきて」

一通り教えて、荷解きをしていた。

私は、自分の部屋で嫌々宿題をしていた。

がたがた隣から音がしている。

気になって、様子を覗くことにした。
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