彩〜鮮やかな彩り〜

「どう?手伝うことある?」

一応声をかけてみた。


「うん、じゃあ、ここの箱の中にある本を本棚に並べてくれないかな?」

「うん、わかった」

そう言って本を並べ始めた。

私は、あらかじめ言っておこうと思った。私の体のことについて。

「ねぇ、話があるんだけどいいかな?荷解きしながらでいいから」

「うん、いいよ、何かな」

不思議そうな顔でこちらを向いている。

「私ね、小学校の時から一型糖尿病にかかってるの。だから、食べたら毎回インスリンっていう注射をお腹に打たないといけないの。それと飲み薬もあるから、それも飲まないといけないの、一緒に住むとなると言っておいた方がいいと思って」

すると爽くんは、

「そうだったんだ、分かった。話してくれてありがとう」

優しい顔でそう言ってくれた。

良かった。

ほっとした。
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