彩〜鮮やかな彩り〜


僕は、独り身になるのだろうか、、、

僕の母さんは、小さい頃から体が弱かった。

遺伝性の病気にかかっているらしく、膵臓が悪い。

だから、病院での生活がほとんどだった。

だから、僕はお父さんと二人で暮らしていた。

だけど、小学校卒業する前日のことだった。

お父さんは、僕のために卒業式に着ていくタキシードを買いに行ってくれていた。

夕方になっても帰ってこなかったから心配していた時だった。

家の電話が鳴って、お父さんが事故にあって亡くなったと。

時間が止まった気がした。

僕は急いで病院に向かった。

身元確認がしたいからと。

まだ、分からない。お父さんじゃないかもしれない。

そんなかすかな希望は叶わなかった。

遺体のかかっている白い布をとると僕が知っているお父さんとは変わり果てていた。

色が白く変色して冷たくなっていた。

「お父さん、、、なんで、僕を置いていくの?なんでだよ!!!お父さん嫌だ!!」

泣きながら足から崩れ落ちた。

それから僕は、お父さんの遺体を引き取って母さんの代わりにお葬式をあげた。

日々は淡々と過ぎていった。

母さんの入院の看病、中学生でもできる新聞のバイトいっぱいした。

母さんが生きていてくれればそれでいい。

そう思っていたけど、それもだんだん望みが薄くなってきた。
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