元ホストは一途に愛する
「あらあら、斉木くんも陽菜ちゃんがかわいいからって、あんまり無理させちゃダメよ?」
「……はい、気をつけます」


おトミさんは斉木さんにも意味深な釘をさして「いいわね〜若いって」とにこにことお茶を飲んでいた。
根掘り葉掘り聞かれることはなかったけれど、すべてお見通しみたいな人生の大先輩。恐るべしである。


けれどこのとき斉木さんがおトミさんと約束してたはずの『あんまり無理させちゃダメよ?』は、あまり守られていない気がする。


斉木さんは優しくってとにかく私に甘い。
仕事も忙しいはずなのに、私を愛でる時間がなければ仕事が出来ないと言い出しそうなくらい、私を求めてもくれる。
愛情をたっぷり注がれて、ときに溺れそうになるくらいの愛にくったりしてしまう私のことも「かわいい」と言ってなかなか離してはくれない。


おトミさんに告げ口しようにもただののろけになりそうだ。
もしかするとのろけたいのかもしれない。
それくらい、一途に愛してくれる彼と過ごす日々は幸せがあふれている。
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