聖なる夜に
「う~ん、よくわからないや。僕ね、一回でいいからママの顔が見てみたいんだ。一回でいいからママとおなじ景色みてみたいんだ。叶うかな?」
僕の目から涙がこぼれていた。
「…サンタさん?」
「あぁ。叶うさ。きっとママの顔見れるよ」
「ほんと?そしたら僕言うんだっ!ママ、僕を生んでくれてありがとう!って!」
暗闇に目が馴れてきて、その子の顔が見えた。
今まで見たことのないような笑顔だった。
キラキラ輝いた笑顔がそこにあった。