コンプレックスを超えた二人の物語
第14章「別れの時」

シーン1:通学路(朝)
朝、美咲はいつもの通学路を歩きながら、翔が今日転校することを思い浮かべている。心の中は不安と悲しみでいっぱいだ。
美咲:(ナレーション)「今日は翔くんが転校する日…まだ信じられない。翔くんと過ごしたこの1年間、本当に大切な時間だった。彼がいなければ、私は新しい自分に出会えなかった。でも、これからは一人で歩んでいかなければならない。」

シーン2:学校の廊下(朝)
学校に着いた美咲は、廊下で翔とばったり会う。二人の目が合い、しばらく沈黙が続く。
美咲:「あ…翔くん。」
翔:「美咲…。」
言葉を交わすことができないまま、二人はただ見つめ合っている。時間が止まったような静けさが周囲を包む。
美咲:(ナレーション)「言葉にできない。これが最後なんて…翔くんが私の生活から消えてしまうなんて、想像もつかなかった。」

シーン3:教室前(午前中)
そのまま二人は教室の前に向かって歩くが、翔が突然立ち止まり、美咲に声をかける。
翔:「美咲、少し時間あるかな?最後に話がしたい。」
美咲:「うん…もちろん。」
二人は教室を離れ、屋上に向かう。

シーン4:屋上(午前中)
屋上に着いた二人は、誰もいない静かな空間で向き合う。風が吹き抜け、二人の気持ちを静かに包み込む。
翔:「美咲、これからは僕たち、違う道を歩くことになる。でも、君との思い出は一生忘れない。」
美咲:(涙ぐみながら)「翔くん、私も…本当にありがとう。あなたがいたから、私ここまで来られた。これからも自分の道を進んでいくよ。」
翔:「それが聞けて嬉しい。美咲なら大丈夫だ。君ならきっとどんな困難も乗り越えて、幸せになれるよ。」
美咲:「翔くんもね…どこへ行っても、笑顔でいてほしい。」

シーン5:別れの瞬間(昼)
二人はお互いを見つめ、ゆっくりと抱き合う。最後の別れを惜しむように、しっかりと抱き締める。
翔:「本当にありがとう、美咲。」
美咲:「こちらこそ…さようなら、翔くん。」
抱き合ったまま、二人はしばらく動かない。お互いの温もりを感じながら、この瞬間を心に刻む。
美咲:(ナレーション)「今日で私たちの物語は終わる。でも、翔くんと過ごした時間は、私にとって一生の宝物。この出会いが私を変えてくれた。これからは一人でも前に進める。翔くんが教えてくれたことを胸に、強く歩んでいく。」

シーン6:校門前(午後)
翔は最後に校門の前で美咲を振り返り、笑顔を見せる。
翔:「また会おう、美咲。必ず。」
美咲:「うん、絶対に。」
二人は手を振り、翔は去っていく。美咲は少し涙をこらえながらも、微笑んで彼を見送る。

シーン7:夕方の教室(夕方)
夕方、美咲は教室に一人残っている。窓の外には夕日が沈みかけている。
美咲:(ナレーション)「翔くんがいなくなっても、私は一人で歩いていける。翔くんとの思い出を胸に、これからの未来を見据えて進むんだ。」
彼女は窓の外を見つめ、少し微笑む。
美咲:「ありがとう、翔くん。私は強くなるよ。」


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