Fixing a Broken Heart
「黒電話は構造がシンプルだから、すぐに直せるはずだよ」
「本当ですか?うち、これしか電話がないし、すぐに直るのなら助かります!」
 そう言うと、彼は少しだけ驚いたようだったが、
「じゃあ、すぐに直さなきゃ困るよね」
 慎重に黒電話を受け取ってくれた。
「お願いしまーす!」
 彼が黒電話を分解し、手際よく修理する様子に、私はすっかり見惚れていた。
「よかったぁ。祖……いや、母が黒電話しか使えない人だし、本当に助かります」
「君、大学生?」
「ううん、高専。まだ17だから、車の免許取れなくて」
「そうなんだ。僕、あそこのOBなんだよ。右も左も男ばっかりでしょ?」
「先輩なのね!女子が皆無とか、逆ハーみたいなクラスもあるけど、私のクラスは文系で、男子は3人だけ。留年生も結構いるし、最初は色々と戸惑ったわ」
「あはは、まさに僕の居たクラスは女子皆無だったよ」
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