首切りさまと呪いのハロウィン
ジャックオランタン
学校へ到着したとき、急に空模様が怪しくなった。

見上げてみると頭上には黒く重たい雲が覆いかぶさっていて、雷鳴がとどろき始める。

教室へと飛び込んだときにはすでに大粒の雨が地面を叩きつけはじめていた。

真っ暗な教室内に戸惑って周囲を見回すと、登校してきているクラスメートたちから「首に線が……」「電気もつかなくて」という不安そうな声が聞こえてきた。

確かに、教室内は薄暗くて、近づかないと顔がわからないくらいだ。
外からの太陽光が入らなくなって尚更電気が必要なのに、誰もつけようとしていない。

後ろから教室へ入ってきた心春が電気のスイッチに手を伸ばしたけれど、いくら押しても電気はつかなかった。

「電気は突然消えたんだ。雷のせいだと思う」
誰かの声に頷くものの、妙な不安が胸の中を渦巻いている。

突然の悪天候も電気がつかないことも、すべてが悪い事の予兆にしか感じられない。

「それより、梨穂たちは大丈夫なの？」
かけよってきた女子生徒が自分の首を見せてくる。

そこにはクッキリと赤い線が現れていたのだ。
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