首切りさまと呪いのハロウィン
ずっしりと重たいそれをどうにかロッカーの中から取り出し、近くの机の上に置いた。
それから袋を外そうとしたのだけれど。

まるで待っていたかのように、袋が自然とズルリと外れたのだ。
そこから出てきたのは1度見せてもらったことのある地蔵の頭だった。

よく見ると首の部分が欠けて、もろくなっているのがわかる。
友斗もそれに気が付いて、これなら持ちされると思ったんだろう。

友斗のことだから、文化祭を台無しにしたくないとか、1度大口を叩いたことを取替¥消したくないとか、そういう思いがあったんだと思う。

だけど、たったそれだけのことで、こんな事態を招いてしまうなんて……!
クラス全体を巻き込んでしまったことに胸がチクチクと痛くなる。

だからこそ、自分たちの手で最後まで解決しなきゃいけない。
「これを元に戻せば終わるの?」

そう聞いてきたのは心春だった。
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