首切りさまと呪いのハロウィン
ジャックは2度も悪魔を十字架によって封印している。
そして天珠を全うしているのだ。

その姿を見ていて他の悪霊たちはジャックを警戒し、近づかなくなった。
つまり、ランタンを持っている者の元には悪魔は来ないのだ。

友斗が読んだ本はフェクション性が高い作品だったんだろう。
完全にランタンンを悪者として扱っている作品を偶然読んだんだと思う。

そのときだった。
苔むした灰色の地蔵の目が突然白目を向いたのだ。

「キャアア!」
クラスメートの何人かが悲鳴を上げて陰際まで逃げていく。
「クビ……ウバッタ……ミナゴロシ……」

鬼のように目を吊り上げてひとことひとことを発する地蔵の声はビリビリにひび割れていて、クラス中に轟いた。

みんなが両耳を塞いで逃げても、その声はどこまでも追いかけてくる。
「カエセ……サモナクバ……イマスグ……コロス」

強い怨念がこもった声に背筋が凍った。
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