首切りさまと呪いのハロウィン
細いロープが食い込んでくるような苦しさがあるのに、首にはなにも巻き付いていない。

私の指先は自分の首をかきむしるばかりだ。
「あ……あ……」
呼吸が止まり、顔がカッと熱くなる。

もがいてももがいても空気を吸い込むことができなくて、意識が朦朧としてくる。

ヤメロ!!

そんな声が聞こえてきたかと思うと、ランタンが床に落ちた地蔵を取り囲むのが見えた。

その瞬間首の苦しさがフッと解けた。
「ゴホゴホッ」

涙目で何度も咳き込んで深呼吸を繰り返す。
ランタンが、私を助けてくれた……?

「梨穂、大丈夫か?」
玲二が駆け寄ってきて背中をさする。
私は何度も頷き、そしてどうにか立ち上がった。

ランタンが手助けしてくれている間に、急がなきゃいけない。
「行こう玲二」
「あぁ」
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