首切りさまと呪いのハロウィン
☆☆☆

地蔵の頭を袋に入れ直して私たち3人は再び学校を飛び出した。

外は大荒れの天気で雨が叩きつけていたけれど、気にしている時間はなかった。

傘もささずに全力で走る。

玲二とふたりでどうにか地蔵の首を運ぶものの、重たくてそう簡単には目的場所に到着しない。

いっそタクシーを使ったほうがいいかと考え始めたとき、不意に心春がその場に座り込んでしまった。

「心春、どうしたの?」

立ち止まって振り向くと、心春が首に触れていた手をそっと離したところだった。

その指には血がついている。
「嘘……」
全身からサッと血の気が引いていく。

心春の首からはポタポタと血が流れ出しているのだ。
「私は大丈夫だから、ふたりは行って」

「でもっ」
このままほっておけるわけがない。

もし首を返す前に心春の首が取れたら……。
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