首切りさまと呪いのハロウィン
解決とその後
降りしきる雨の中どうにか地蔵までやってきた私達は立入禁止のテープをまたぎ、地蔵の体にかけられている布を剥ぎ取った。

地蔵の体に張り付くようにしてかけられていた布は簡単にはずれて、そこに首のない胴体だけが出現する。

それを見た瞬間首にビリッとした痛みが走って、顔をしかめた。
見ると玲二も顔をしかめて自分の首を気にしている。

「本当にごめんなさい。もう二度とこんなことはしません」
二人で地蔵への謝罪を口にしながら、袋の中から頭を取り出す。

ずっしりと重たくても、ふたりで持てばもう大丈夫だ。

まだ白目を見せている地蔵の目は釣り上がり、怒り狂っていることがこちらにまで伝わってきた。

長年ここにいたのに首をもがれて強制的に連れて行かれたのだから、深い恨みを持っていても仕方ない。

「これで、どうかお許しください!」
地蔵の首を胴体へ戻したとき、ひときわ大きな雷が鳴った。

思わず身を縮めてしまいそうになるのを必死で我慢する。
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