首切りさまと呪いのハロウィン
☆☆☆

心春が座り込んでしまった場所へどもると、そこには仰向けで倒れている心春の姿があった。

「心春、大丈夫!?」
声をかけても返事をしない。

全身ずぶぬれで地面には血だまりができている。
まさか、間に合わなかった……?

心春の横に膝をつき、その肩に手を伸ばしたけれど触れるのを躊躇した。
友斗のときは、肩を揺さぶった時に頭がゴロリと取れてしまった。

それを思い出したからだ。
ドクドクと心臓が早鐘を打ち、どうするべきか悩みこむ。

「きっと死んでない」
玲二が後ろからそう声をかけてきた。

「どうして? こんなに血が出てるのに!」
「だからだよ。今まで死んだクラスメートたちはみんな、血は出ていなかっただろ」

そう言われればそうだった。
首には太い血管があるのに、誰も出血しないまま首が取れていたんだ。

まるで、血の通っていない人形みたいに。
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