首切りさまと呪いのハロウィン
☆☆☆

心春のために救急車を呼んだあと、私達はふたりで学校へと戻ってきていた。

クラス内はパニックになっていたからどうなっているか心配だったけれど、私達が地蔵に首を戻したのと同じ時間帯にランタンが勝手に破裂して、粉々に砕け散ったと聞いた。

きっと、役目を終えたから自ら消えたんだろう。

「ランタンは私達を守るために何度も戻ってきてくれてたんだね。それなのに何度も捨てて壊しちゃった」

ゴミ箱に捨てられたランタンを見て申し訳無さがこみ上げてくる。

「それならまた作ればいいさ。今度はちゃんとしたハロウィンイベントのときに」

玲二に言われて私は小さく頷いた。
今回の立て続けに起こった事件のせいで、文化祭は開催事態が怪しくなってる。

少なくても1年A組がお化け屋敷をすることはないだろう。
せっかく準備を進めてきたけれど、仕方ない。

私達ももう、怖いものを作る気力は残っていなかったから。
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