首切りさまと呪いのハロウィン
そして、文化祭当日。

どうにか開催に至った文化祭で、私達のクラスはクッキング部と協力してカボチャマフィンを販売することになった。

カボチャは回復して戻ってきた心春の祖父母が沢山提供してくれた。

カボチャマフィンの売れ行きはおおよそ好調で、午後になるとほとんどが売り切れ状態になっていた。

「もう少し沢山作ったほうが良かったかな」
残り少ない商品を見て私はつぶやく。
交代で売り子をしていて、今は私と心春の番だった。

長テーブルには緑のチェック柄のテーブルクロスがひかれていて、その内側に二人分のパイプ椅子が用意されている。

私はそのひとつに座っていた。
「売れ残るよりはましでしょ?」

後ろから聞こえてきたそんな声に「それもそっか」と、同意いして、今の声は誰だろうと振り向いた。

だけどそこには誰もいない。
< 116 / 118 >

この作品をシェア

pagetop