首切りさまと呪いのハロウィン
教室の壁があるだけで、人が立てるようなスペースもない。
心春は今トイレに行っているし……じゃあ、誰?

もしかして気のせいだったのかな?
首をかしげたとき、心春がトイレから戻ってきた。

心春もすっかり元気を取り戻している。
「あ~あ、もう少し沢山作るべきだったかなぁ?」

心春がさっきの私みたいに残念がっている。
「楽しそうだねぇ」

また、聞こえた。
真後ろからの声。

今度は心春にも聞こえていたみたいで、私たちは目を見交わせた。
「今の声、梨穂?」

「違うよ。私はなにも答えてない」
そのとき、後方から冷たい風が吹き抜けた。

後ろには壁しかないのに。
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