首切りさまと呪いのハロウィン
だけどすぐに気を取り直したのか『なにか言ってるんだけど』と、笑い始めた。

長い髪の毛を金色の染めたその子はクラス内でも一番浮いている存在で、逆らうのが怖いイメージがあった。

だけど私はその子へと近づいて目の前に立った。
『あれをしたのはあなた?』
『はぁ? なんのこと?』

『私、確かにこのクラスじゃ友達いないけど、でも暗いとかなにも言い返せないとかじゃないから』

本当は怖くて背中に汗をかいていた。
下手すれば声が震えてしまうから、全身にグッと力も込めていた。

『な、何言ってんのかわからないんだけど』
さすがにたじろぎ、私から視線をそらせる。
そんなときだった。

『俺見てたけど』
そんな声が聞こえてきて振り向くと、そこに玲二が立っていたのだ。

玲二のクラスは3つ離れた場所にあるから、ここにいるはずがない。
『さっきここの廊下通ったとき、あんたらが梨穂の机に近づいてるの見たけど』

『玲二……』
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