首切りさまと呪いのハロウィン
きっと、そのときに異変を感じて、戻ってきてくれたんだ。
その優しさに胸がギュッと締め付けられて全身が熱くなった。

その後心臓がドキドキして止まらなくなったんだ。
『わ、私達は別に』
今までの勢いが急にしぼんでいく。

こころなしか彼女たちの頬が赤く染まり、しおらしくなった。

小学校の頃からかっこよくて人気者だった玲二に彼女たちもやられてしまったみたいだ。

『俺の友達傷つけたら許さないから』
それは決して威圧的な言葉ではなかった。

むしろ優しく言われたようなものだったが、彼女たちは赤らめていた頬をサッと青くしてうつむいた。

それくらい、玲二の言葉は冷たかったのだ。
この言葉は嘘じゃない。
本当になにかされると怯えたのが伝わってきた。

それから気がつけば机の上からコンドームがなくなり、彼女たちから『ごめんね』と謝罪された。

私は危うくイジメのターゲットにされるところで、それを玲二が救ってくれたんだ。
そのときから今までずっと、3年間以上片思いを続けている。
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