首切りさまと呪いのハロウィン
この4人は小学校からの友人で、大西高校に入学後偶然同じA組になった。

最初はそれを奇跡だと喜んでいたけれど、地元に根付いたこ大西高校ではよくあることみたいだ。

玲二と友斗は大きな模造紙を持ってきて、そこに今から『1年A組 お化け屋敷』と書いていくのだ。

教室の看板だから、丁寧に目立つように書かなきゃいけない。
「おぉ、さすが心春。すっげぇイラストだな」
友斗が目を丸くして心春のイラストを見つめる。

心春はもともとイラストが大好きで、中学高校と美術部で活動をしている。
特に怖いものが大好きだから、部内でもホラータッチの絵をよく描いているみたいだ。

「ありがとう。これくらいは美術部の子なら誰でも描けるよ」
と、謙遜しながらも嬉しそうに頬をピンク色に染めている。

さっき私が褒めたときにはそこまで照れてなかったのに、と、内心思いながら真っ白な模造紙へ視線を向けた。

「これに、どんな文字で描いていくの?」
玲二に聞くとスマホを取り出して画像を見せてきた。

そこには本物のお化け屋敷の看板が表示されていて、血が滴り落ちているような怖い文字が使用されている。
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