首切りさまと呪いのハロウィン
「麻美、それ……」
麻美の首を指差した状態で固まってしまう。

たしか麻美は昨日、首のケガについては見に覚えがないと言っていたはずだ。
「わからない。朝起きたら線が伸びてて」

震える指先で自分の首にふれる麻美。
痛々しく見える線に触れても、少しも痛みはなさそうだった。

「麻美、大丈夫なの!?」
焦ったような声が聞こえて振り向くと、クラスメートの涼香が早足で教室に入ってきた。

涼香は麻美の親友で、中学時代から一緒にいると聞いたことがある。
私は後退りしてその場を涼香に渡した。

「うん……でも、なんだか気味が悪くて」
「そうだよね。痛くはないんだよね?」

「うん……」
涼香には予め連絡しておいたのだろう、ふたりは深刻そうな顔で話し込み始めた。

そっとその場を離れたとき、後ろから心春に声をかけられた。
「あれって大丈夫だと思う?」
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