首切りさまと呪いのハロウィン

☆☆☆

麻美の首が突然落ちた。
なんの前触れもなく、みんなの目の前で。

救急車が呼ばれたけれど麻美はもう助からないことは、全員がわかっていたことだった。

「なんで、なんでぇ！？」

白いシーツにくるまれた麻美が運ばれていく時、泣き崩れた涼香がずっと「なんでなんで」と繰り返し叫んでいたけえど、それに答えられる者は１人もいなかった。

突然の異常事態に学校中は震撼として、パニックを起こす生徒も出てきた。
「心春、大丈夫？」

さっきから浅い呼吸を繰り返している心春のことが心配で近づいていくと、心春は青ざめた顔で小さく頷いた。

今はA組から出て、廊下にみんな寄り集まっている。
とてもじゃないけれど、教室内戻れるような雰囲気ではなかった。

「あ、麻美はなんで……」
心春はそこまで言って口を閉じて、また呼吸を繰り返す。