首切りさまと呪いのハロウィン
「わからないよ。なにが起こったのか、全然わからない」
目の前で見ていたのに、みんなが近くにいたのに麻美を救うことができなかった。

麻美の首に出てきた赤い線がグルリと一周したとき、その首がゴロリの取れたのだから。
その原因を知る人間はどこにもいない。

「みんな、冷静に落ち着いて」
救急車が走り去るのを見送った担任教師が青い顔をして戻ってきた。

救急車には保険の先生が一緒に乗って行ったみたいだ。

「先生もとても信じられないことが起こって動揺してるけど、でも、今日はとにかく授業はできないと思うんだ。警察も呼んだから、これから来ると思う。だけどみんなに話をしてもらうつもりはないから、すぐに帰る準備をしてほしい」

先生からの説明を聞いている間に心春の呼吸が整ってきた。
とりあえずこの場から離れることができるのは、私も嬉しかった。

警察での取り調べなどは本当は必要なのだろうけれど、先生も事情が把握できていない今私達が説明できるはずもなかった。
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