首切りさまと呪いのハロウィン
「おばあちゃんは出てこないの?」
「最近足を悪くしてさ、あまり動けないんだ」
「そうなんだ……」

昔のことを思い出すとちょっとだけ切ない気持ちになりつつ、玲二につれられて2階へと向かった。

2階には3部屋あって、一番手前が玲二の部屋だった。
「どうぞ」

玲二がドアを開けて中へ入ると、昔と変わらない部屋がそこにあった。
可愛らしい雲の壁紙に、大きな勉強机とベッド。

小学校の頃何度か来たことがある部屋そのままで、ちょっと笑ってしまった。
「なにがおかしいんだよ」

「ごめん。昔のままだったから、つい」
「そんなことないだろ? 本棚の本とかカーテンは変わってるはずだし」

そう言われてばカーテンは今みたいな落ち着いた青色じゃなかった。
子供の頃はオモチャのイラスト入りのカーテンだった。

「玲二の部屋に入るの久しぶりだなぁ」
友斗はそう言いながらも堂々とベッドに寝転んでいる。

もう自分の部屋みたいな感覚なんだろう。
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