首切りさまと呪いのハロウィン
心春は部屋の中をキョロキョロと見回した後、丸いテーブルの前に座った。
私はその隣に座ってコンビニの袋をテーブルに置いた。

「なぁ、麻美のことなんだけど」
ベッドに仰向けになったまま友斗がつぶやくように言った。

「あれって本当に何だったんだろうな? 血が出てる様子もなかったしよぉ」
それは私も気になっていたところだった。

普通、首があんな風に切断されれば血が吹き出してくるはずだ。
首には太い血管が多く通っているから吹き出さないにしても出血はあるはずだ。

なのに、麻美の首からは血が流れて出なかった。

麻美が運び出された後を見ても、床や机に血はついていなくて、まるで何事もなかったかのような状態だったのだ。

あんなのありえない。
「わからないけど、今その話はしたくないかも」

心春が口元を押さえて言うと、友斗が申し訳なさそうに上半身を起こした。
「そうだよな。悪い」
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