首切りさまと呪いのハロウィン
☆☆☆

玲二の家から私の家までは歩いて5分とかからない距離にある。

普段学校で毎日顔を合わせていてもこうしてふたりきりになることは滅多になくて、やっぱり緊張してきてしまった。

「なんか緊張するな」
隣を歩く玲二が照れくさそうにつぶやく。

「やっぱり? 私もなんだか緊張しちゃってた」
変に緊張する必要なんてないのにとふたりで笑いあったとき、ちょうど家の屋根が見えてきた。

玲二の家よりも少し小ぶりで、可愛らい一戸建てが見えてくる。
駐車場には車が1台止まっていて、お母さんがパートから戻ってきていることがわかった。

「送ってくれてありがとう、もう大丈夫だから」
「うん」

互いに立ち止まって、なんとなくそのまま帰りたくなくて黙り込んでしまった。
家に戻ればきっと今日の出来事を聞かれるだろう。

玲二の家にいることは先に説明しておいたから怒られることはないけれど、学校での出来事を説明すると思うと今から気が重くなる。

そもそも、なんと説明すればいいかもわからない。
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