首切りさまと呪いのハロウィン
なにか言いたいのに言葉が見つからなくてもどかしい。
そんな気持ちが痛いほどに伝わってきて、私は玲二から身を話した。

「落ち着いて、ゆっくりでいいよ」
そう言うと玲二は今にも泣き出してしまいそうな顔になって、そのまま顔が近づいてきた。

「なに?」
と質問する暇もなく唇に唇が押し当てられていた。

チュッと、ほんの一瞬触れるだけのキスをしてパッと身が離された。
私は唖然として玲二を見つめる。

玲二は耳まで真っ赤にして「それじゃ!」と言うと逃げるようにその場を後にしたのだった。
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