首切りさまと呪いのハロウィン
☆☆☆

放課後も4人で1時間ほど居残りをして文化祭の準備を進めた、その帰り道。
「心春の絵もいいけど、他にも色々飾るだろ?」
前を歩きながら友斗が聞いてきた。

「そうだね。狭い中でもちょっとしたものを置くスペースはあるもんね」
と、私。

その横で心春が思い出したように「そういえばハロウィンが近いね」と言った。
「ハロウィン!」

心春以外の3人が同時に立ち止まって声を上げる。
10月が文化祭だというのに、どうして今まで気が付かなかったんだろう!

「ハロウィンって子どもたちが怖い仮装をして、家を練り歩くイベントだろ?」
友斗の目がキラキラと輝いている。

「うん。日本のお盆みたいなもので、死者が戻ってくる日なんだって。だけどそこには悪霊も紛れているから、怖い仮装をして追い払ったり、仲間だと思わせて連れていかれないようにしているみたいだよ」

心春の説明に私は何度も頷いた。
そしてハロウィンと言えば忘れちゃいけないのがカボチャランタンだ。

「ねぇ、それならお化け屋敷に入る人にカボチャランタンを持ってもらわない? ボンヤリしたランタンの光を頼りに歩いてもらうの!」
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