首切りさまと呪いのハロウィン
涼香は顔を真っ青にして泣きじゃくっている。

そのまま走り去ろうとしていたようだけれど、私の目の前まできてつまづいてこけてしまった。

「涼香、どうしたの!?」

慌てて助け起こしながら質門すると、しゃくりあげながら「麻美が、麻美の頭が……」と、繰り返す。

だけどそれ以上は言葉にならないみたいだ。
「ねぇ玲二、なにが起こってるの?」

背の高い玲二なら見えているはずだ。
教室でなにが起こっているのか。

「知らないほうがいい」
玲二が左右に首を振って答える。

秘密にされたら余計に気になってしまう。
それに、涼香はこんなにも取り乱しているし、普通じゃない。

「ランタンがあったの、ランタンが……」
「ランタン? それって私達が作ったカボチャランタンのこと?」

ランタンと言われて思い当たるのはそれしかなかった。
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