首切りさまと呪いのハロウィン
☆☆☆

あんな悪質なイタズラをした犯人はわからないまま、昼休憩の時間になっていた。
朝の騒動を抜きにすれば今日はおおよそ平和に授業が進んでいると言えるだろう。

「どうする? 今日も居残って準備するか?」
いつもの4人でお弁当を囲んだとき、さっそく友斗がそんな質門をしてきた。

「俺は少しでも進めておきたいと思うけどな」
と、玲二。

私も小さく頷いた。
あんなことがあった教室で居残りをするのは気が引けるけれど、それなら道具だけ持って別の教室を使わせてもらえばいい。

とにかく、1年A組のお化け屋敷は他のクラスからも期待されているから、その気持ちに答えたかった。

「私も、もちろんいいよ」
昨日からの出来事に口数が少なくなっているものの、心春も了承してくれた。

ホッと胸をなでおろす。
「よし、じゃあ今日は鏡を使った演出について考えようか」

玲二の言葉に私は頷く。
お化け屋敷の中に鏡があったら面白そうという発想は前々から出ていた。
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