首切りさまと呪いのハロウィン
教室から駆け出す涼香を追いかけることもできずに立ち尽くす。
ふたりに出現した首の赤い線。

あれがグルリと一周したとき、麻美の首はなんの前触れもなく落ちた。
「ねぇ、もしかしてあれって感染症とかじゃないよね?」

心春が震える声で呟いた。
「感染症?」

「だって、昨日は麻美で今日は涼香。風邪が感染るみたいに感染っていってるように感じない?」

「そんなこと……」
否定したくてもできなかった。

そうかもしれないと思ってしまった。
もしあれが感染症なら、同じ教室にいた私達も……。

ふと自分の首筋に触れてヒヤリとした感触を覚えた。
首がひどく冷えている。

それから心春の首を確認する。
赤い線は出てきていない。
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