首切りさまと呪いのハロウィン
☆☆☆

「涼香、戻ってこなかったね」

放課後、今日は30分だけ居残って準備することにして、4人で教室後方へ集まってきたとき、心春がうつむいてそう言った。

「そうだね。そのまま早退したんだよきっと」
クラス内では生首ランタンを作ったのが涼香だと言っていて生徒もいて、居づらかったんだろう。

そう、思うことにした。
「涼香、明日ちゃんと学校に来るよね?」

心春が誰にともなく質門する。
その声は不安の色が滲んでいた。

「心配すんな。きっと大丈夫だから」
友斗はそう言い心春の肩を抱いて自分の方へと引き寄せた。

心春の顔色は相変わらず青いけれど、それでも身を任せる相手がいるんだからきっと大丈夫だ。
私と玲二は軽く目配せをしてふたりに背中を向けて作業を再開したのだった。
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