首切りさまと呪いのハロウィン
原因がわからないことをとにかくなにかのせいにしたいのかもしれない。

私達が作ったカボチャランタンはもともとハロウィンのものだし、ハロウィンでは悪霊が下りてくるという。

確かに、いいイメージのするものではないかもしれない。
今回の事件でも生首という点で一致している。

「それなら、ランタンを捨てようよ」
本当にランタンが原因だとは思っていない。

だけどランタンを始末することで心春の気が晴れるのなら、捨てても構わなかった。
たったそれだけのことで事件が解決するのなら、もっといいのだけれど。
私達は教室内へ入り、ロッカーを開けた。

そこには4人で作ったランタンがひとつづつ保管されている。
クッキング部の先生に教えてもらいながら作ったランタン。

そのときのことを思い出すと、楽しいことしか思い出せない。
そのほんの数日後にこんなことになるなんて、思ってもいなかった。

私達は教室後方にある大きなゴミ箱へと向かった。
みんなでランタンを手に持ち、ゴミ箱の上にかざす。
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