首切りさまと呪いのハロウィン
☆☆☆

重たい地蔵の頭を抱えてようやく教室へ到着すると、クラスメートたすぐに駆け寄ってきた。
「なぁ、これってお前たちがやったのか?」

戸惑った表情の男子生徒の後方に、教室の天井からぶら下がったカボチャランタンが見えた。
「え!?」

驚いて教室内へ入ると、4つのランタンが微かな風によって揺れているのだ。
ひとつひとつ確認していけば、自分たちで彫ったマークもちゃんとついている。

私のランタンは「R」だ。
「なにこれ、捨てたはずなのに」

呆然としてその光景を見ていると、目を吊り上げたクラスメートが近づいてきた。
「こういう悪ノリやめてくれない? 気分悪いんだけど」

彼女が怒っているのはきっと、麻美の首ランタンを思い出してしまうからだろう。
でも違う。

私達はこんなことしてないし、ランタンは捨てたはずだ。
「とにかくランタンを下ろそう」

呆然として何も言えないでいる私に向けて、玲二がそう言ったのだった。
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