首切りさまと呪いのハロウィン
☆☆☆

誰が何のためにランタンを飾ったのか?
わからないまま私達はランタンを天井からおろして床に置いた。

「もともと捨てたはずのものだったんだ。やろう」
友斗が全員にそう声をかける。
私達は今からカボチャランタンを踏み潰す。

もう妙なことに使われたりしないよう、みんなの前で捨ててみせるのだ。
でも、いざ足元にランタンがあるとなんとも言えない気持ちになってくる。

捨てるだけならともかく、自分の足で踏み潰してしまうなんて。
「大丈夫だよ、カボチャはまだまだ沢山あるから、今回ダメでも、またみんなで作ろう」

躊躇している気持ちが伝わったのか、心春がそういった。
「うん、そうだね」
ここまで来たらやるしかない。

ここで私だけできなければ、変な疑いをかけられてしまうかもしれないし。
そう思い、大きく息を吸い込んだ。

そして昨日ランタンを捨てた時と同じように「せーのっ」の掛け声でカボチャランダンンを踏みつけた。
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