首切りさまと呪いのハロウィン
みんな、1度はこれを捨てているところを目撃しているし、あの後すぐに授業が始まったから、もう1度ランタンを作る時間なんてなかったのはわかっているのだ。

「ゴミ箱の中のランタンが消えてる」
友斗がゴミ箱の中を覗き込んで呟いた。

つまりランタンはあれだけボロボロにされてもまた戻ってきたということになる。
この、ロッカーの中に。

「ねぇ友斗、その首……」
心春が何かに気が付いて友斗に近づいていく。

友斗がハッと息を呑んで自分の首に手を当てた。
「なんだ? 俺の首、どうなってるんだ?」

混乱する友斗の首には、うっすらと赤い線が現れていたのだった。
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