首切りさまと呪いのハロウィン
☆☆☆

その後私達は学校を抜け出して心春の祖父母の家へと向かっていた。

一連の出来事がカボチャに関係しているなんて考えにくいけれど、もうそれしか考えられなくなってしまっていた。

このままじゃ次は友斗が……。
そう思うと、とても授業を受けている場合ではなかった。

とにかくランタンに関係する場所へ行き、話を聞かないといけない。
心春の祖父母の家は学校からそう遠くなく、20分ほど歩いて到着していた。

「おじいちゃん、おばあちゃん、いる!?」
突然の孫の訪問にも笑顔で出迎えてくれたのは背の小さな老婆だった。

丸っこい顔が可愛らしくて、白い髪の毛を後ろでお団子にしている。
その後ろから出てきたのは少し腰が曲がった老父だった。

ふたりとも人好きしそうな顔をしている。
ふたりは驚きながらも私達を家に上げてくれて、お茶と茶菓子を用意してくれた。

客間として使われている和室はとても広くて清潔感があるが、奥に飾られている古い人形たちに自然と視線が向いてしまう。
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