首切りさまと呪いのハロウィン
ジャックという男は本当に性格が悪かったらしい。

この男が持っているランタンを模したものということで、悪いものが宿ってしまったのかもしれない。

「これ見てみろ!」
静かな図書館内に突如友斗の声が響いてビクリと肩を震わせた。

向かい側に座っていた友斗が読んでいたのは、子供向けに書かれたハロウィンの漫画だ。
そのページを開いて見せてくる。

そこにはジャック・オ・ランタンは妖精であると書かれていた。
「ジャック・オ・ランタンの生息地は死者の国だって書いてある!」
確かにそう書かれている。

もともと酒飲みだったジャック・オ・ランタンは彷徨っていたのではなく、妖精になっていたという。

そして10月31日にだけこの世にやってくる。

その妖精の姿はカボチャそのものだったり、ガイコツだったりと様々で本当のところはわからない。

「死者の国からやってきたジャック・オ・ランタンが、連れ帰ろうとしてるのか?」
玲二からの質門に友斗は「それしかねぇだろ!」と大声を上げる。
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