首切りさまと呪いのハロウィン
高校生が本気でそんなことを言っていると思われると少し恥ずかしいけれど、次はゆうとの番になるかもしれないのだから、見た目など気にしていられない。

「だとしても、どうして私達がターゲットにされるの? カボチャランタンなんて、どこにでもあるのに」

私は玲二と友斗をなだめるように言った。
今回のような事件が各地で起こっていればニュースになっているだろうけれど、聞いたことがない。

世界的に有名なイベントだから、世界中で同じ事例が出ていないとおかしい。
「つまり、俺たちがやったことの中になにかヒントが隠されてるってことか」

玲二が腕組みをして考え込んでしまった。
自分たちだけに降り掛かっていることなのだから、きっとそうなんだろうという予感はあった。

だけどいくら思い出してみても、ジャック・オ・ランタンに呪われるようなことはしていない。
そうこうしている内に閉館時間になってしまい、私達はなにも借りることなく図書館を後にしたのだった。
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