首切りさまと呪いのハロウィン
☆☆☆

友斗の家は図書館から徒歩10分ほどの場所にあり、そこは住宅街から少しだけ離れている。
そのため地価が安いのか、4人の中で一番大きな一軒家が建っていた。

「いつ来ても広い家だね」
部屋に案内されて階段を上がりながら心春が嬉しそうに言う。

こんな状況でも好きな人と一緒にいられることが嬉しいみたいだ。
「でも、コンビニも学校も少し遠くて不便だぞ」

「歩ける範囲なのに不便とか言ってちゃダメだよ」
と、ふたりしてなんだかいい雰囲気だ。

私なんかが一緒にいてもいいんだろうかと思い始めたとき、2階の一番奥の部屋にたどり着いた。

ドアにユウトの部屋とプレートがかけられている。
それは小学生の頃図工の時間で作った作品で、懐かしさに目を細めた。

以外と物持ちがいいタイプなのかもしれない。
友斗の部屋はとても広くて12畳はありそうな空間に沢山のものが置かれていた。
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