首切りさまと呪いのハロウィン
転がる
その日は久しぶりにグッスリと眠ることができた。
隣には心春がいて、途中まで手をつないでいたことは覚えている。

私が目を覚ましたときには隣に心春の姿がなくて、繋がれていた手も離れていた。
枕元に置いたスマホで時間を確認してみると、朝の6時50分だ。

そろそろ起きて着替えなきゃいけない。
心春はトイレにでも行ったんだろうか。

そう思って客間のドアを開けた時、友斗の部屋のドアが開いていることに気が付いた。

友斗の部屋では玲二とふたりで寝ているはずだ。
早起きするイメージがないふたりなので驚いてドアに近づいて行く。

「おはよう。早起きだね」
と、声をかけながら部屋の中を覗いたとき、そこに心春もいるのが見えた。

心春がベッドで寝ている玲二を見つめている。

昨日使ったテーブルは横へ避けられていて、そこには玲二が使った布団が敷かれたままになり、その枕元に玲二が立っていた。
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