首切りさまと呪いのハロウィン
「ねぇってば。ずっと呼んでるのに、なんでそんな意地悪するの?」
ほら、心春が怒ってるよ。
ふたりは付き合い始めたんでしょう?

それなら目を開けないと。
心の中で話しかけるけれど、声にはならなかった。
喉から荒い呼吸音がヒューヒューと漏れ出ていくばかりだ。

「ねぇ、友斗ってば!」
心春が友斗の肩に手をのばす。
「やめろ!!」

咄嗟に玲二が叫んだけれど遅かった。
心春が揺さぶったことにより友斗の首が揺れた。

それはありえない揺れ方をして……そのままゴロリと転がると、床の上に落ちてしまったのだ。

「あ……あ……」
首がキレイに切断された断面からは血は流れてこない。
赤い肉と、白い骨がみえるばかりだ。

こんなキレイな断面、ありえないのに。

私はその場にずるずると座り込み、心春は自分の頭を両手で抱えて「イヤアアアア!!」

と、甲高い悲鳴を上げたのだった。
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