首切りさまと呪いのハロウィン
「これを見て」
棚に置かれていた手鏡を取り心春の前にかざす。

心春は自分の首を見た瞬間「ヒッ」と小さく悲鳴を上げてその場に座り込んでしまった。

「大丈夫だよ心春。まだ時間はある。これ以上の犠牲はもう絶対に出さない」
早口に説明しながら背中に汗が流れていくのを感じた。

時間はまだある?
これ以上の犠牲は出さない?
そんなのよく言えたものだと思う。

それならもっと早くにこの現象を止めることだってできたはずだ。
「どうしよう。どうしよう梨穂。私の首にも線が」

心春が私の腕を痛いほどに握りしめる。
私はその手をきつく握り返した。

「大丈夫だよ心春。とにかく、なにかヒントになるものを探さなきゃ」
ジャック・オ・ランタン。
それ以外になにがあるっていうんだろう?

ランタンの呪い。
それを解く方法は?
そんなのわかるわけない。
< 86 / 118 >

この作品をシェア

pagetop