首切りさまと呪いのハロウィン
だって大昔からある伝承なんだから!
頭の中が混乱して全然整理がつかくなったとき、玲二が友斗のスマホを手に持った。

「念の為に調べてみよう」
そう言って画面を操作するけれど、ロックがかかっていて簡単には開かない。

「心春、暗証番号を知らない?」
「知らないよ。だって、彼女になったのは昨日なんだから!」

私の問いかけに心春がまたパニックを起こしそうになる。
私は心春の体をきつく抱きしめた状態で部屋の中を見回した。

なにかロック解除のヒントになることはないだろうか。
誕生日とか、記念日とか……。

そのときだった。
玲二がゆっくりとベッドに向き直ってシーツをはぐったのだ。

「玲二、どうするつもり?」
「顔認証でロック解除できる」

玲二がゴクリと唾を飲み込んでベッドの上にある友斗の生首を見つめる。

目を閉じて黙りこくっている生首にスマホを向けて撮影してみるけれど、案の定その状態でロックは外れなかった。
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