首切りさまと呪いのハロウィン
友斗の目を開ける必要があるのだ。
「梨穂。セロテープを取ってくれ」
「待ってよ玲二、まさか……」

そこまで言って押し黙ってしまった。

玲二がなにをしようとしているのかわかってしまったけれど、それを止めることも咎めることもできない。

玲二は私達のために自分からそんなことをしようとしているんだから。
私は机の上にあるセロテープを取り、玲二に手渡した。

玲二は友斗の右まぶたを指先で押し上げる。
友斗の目は血走り、光を失ってうつろになっている。

それを見た瞬間思わず視線をそらせてしまった。
死んだ友人にこんなことしたくない。

でもしないと、次は心春が死んでしまう。
そう思うと恐怖心よりの勇気の方が勝った。
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