首切りさまと呪いのハロウィン
☆☆☆

なにかがおかしい。
どこかでは話が食い違っている。
その食い違いを探るために私達は友斗の親戚の家を訪れることにした。

文化祭の準備を手伝ってもらうと言っていたくらいだから、その住所はバスで３０分ほど行った場所にあった。

「ここが友斗の親戚の家か」

家といっても石屋の方で、広い敷地内に墓石やちょっとしたアート作品になりそうな石が並んでいる。

その奥が事務所や作業場になっているみたいだ。
「心春、大丈夫？」

バスに乗っている間もずっとぼーっとしていた心春に声をかけると、微かに頷いた。

呆然としているけれどちゃんと自分の足で歩いているし、自分がやるべきことはわかているみたいだ。

「すみません。連絡を入れた井深です」
玲二が奥へ向けて声をかけると、５０代くらいの男性が出てきてくれた。

短く刈り上げた髪に、額にはねじり鉢巻をしていてまるでお祭りに参加している人みたいだ。
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