首切りさまと呪いのハロウィン

☆☆☆

すべての符号が一致した気がした。
ランタンばかりに気を取られていたけれど、もともとこれは友斗を狙った呪いだったんじゃないか。

どうしてそれが麻美や涼香の元へ行ってしまったのかはわからないけれど、ランタンを作ったことによる呪いよりも地蔵の首を持ち帰ったことによる呪いのほうがずっと納得いく。

友斗の親戚の家を後にした私達はバスに乗って図書館まで来ていた。
そこから先は歩いて向かう。
「確かあそこに……」

早足で歩いていると、前方に黄色いテープが見えた。
それは布で覆われた地蔵の体を取り囲むように貼られている。

「これだ」
玲二が地蔵の前で立ち止まり見下ろす。

布の上からでもわかる。
その地蔵の頭はまだ首から上がない状態だ。
< 96 / 118 >

この作品をシェア

pagetop